アルガンオイルはなぜモロッコ産?世界でここだけの希少な理由

モロッコ南西部のアルガンツリーが広がる風景

OVERVIEW

アルガンオイルの原料であるアルガンツリーは、世界でモロッコ南西部にしか自生していません。その理由は、この地域特有の気候・土壌・生態系が複雑に絡み合っているためです。この記事では、アルガンオイルがなぜ「モロッコ産」に限られるのかを、自然環境・樹木の生態・文化的背景の3つの軸からひも解きます。

アルガンオイルは世界中で注目される美容オイルですが、その原料となるアルガンツリーが育つのは、地球上でモロッコ南西部のわずかな地域だけです。なぜこの土地でしか育たないのか。そこには、気候・土壌・生態系、そして何世紀にもわたって森を守り続けてきた人々の存在があります。


アルガンツリーはなぜモロッコにしか自生しないのか

アルガンツリー(Argania spinosa)はモロッコ南西部の固有種で、第三紀にまでさかのぼる古代の残存種とされています。自生地はスース=マサ地方やエッサウィラ周辺に集中しています。

アルガンツリーは、地球上でモロッコ南西部にしか自然分布しない極めて珍しい樹木です。その歴史は古く、北アフリカがまだ熱帯気候だった第三紀にまでさかのぼる残存種とされています。

この木が他の地域で育たない理由は、複数の環境条件が重なっているためです。モロッコ南西部は、大西洋からの湿った風とサハラ砂漠からの乾いた熱気がぶつかる独特の気候帯に位置しています。年間降水量はわずか200〜400mm。アルガンツリーは地下30mにまで根を伸ばし、この乾燥した土壌から水分を吸い上げる能力を持っています。

こうした適応は長い歳月をかけて進化したもので、他の地域にそのまま移植しても同じ品質の実はつきません。アルガンツリーとモロッコの大地は、切り離すことのできない関係にあります。


過酷な半乾燥気候が生む、濃密なオイルの秘密

年間降水量200〜400mmの厳しい環境が、アルガンの実に栄養を凝縮させます。乾燥に耐える力が、オイルの豊かさにつながっています。

アルガンツリーが実をつけるのは、樹齢およそ5年を過ぎてから。一本の木から採れる実の量は年間わずか15〜30kg程度で、そこからオイルを搾ると約1〜2リットルにしかなりません。

乾燥が厳しい環境で育つからこそ、木は限られた水分と養分を実の内部に集中させます。その結果、アルガンオイルにはビタミンE(トコフェロール)、不飽和脂肪酸(オレイン酸・リノール酸)が豊富に含まれます。特にビタミンE含有量はオリーブオイルの約2〜3倍ともいわれ、肌をすこやかに保つ成分が凝縮されています。

アルガニエが毎年その年に収穫された実だけを使用するのも、この「凝縮された鮮度」を大切にしているためです。収穫から最短48時間で空輸することで、搾りたてのオイルが持つ豊かな栄養をそのまま届けています。アルガニエの100%ピュアアルガンオイルは、この鮮度へのこだわりが形になった一本です。

モロッコ南西部の乾燥した大地に広がるアルガンの森

UNESCOが守るアルガンの森——生物圏保存地域の意味

1998年、モロッコのアルガンの森はUNESCO生物圏保存地域に登録されました。この国際的な保護が、アルガンオイルの希少性をさらに裏付けています。

アルガンの森は約82万ヘクタールに広がり、モロッコ南西部の生態系を支える重要な存在です。砂漠化を防ぐ防壁の役割を果たし、土壌の浸食を抑え、数百種の動植物の生息地にもなっています。

しかし20世紀後半、過度な放牧や都市化の影響でアルガンの森は大幅に減少しました。UNESCOの登録は、この貴重な生態系を将来にわたって保全するための国際的な枠組みです。現在はモロッコ政府や地域コミュニティによる植林活動も進められています。

また、2021年には国連総会で毎年5月10日が「国際アルガンツリーの日」として制定されました。これはモロッコが主導して提案したもので、アルガンツリーの生態学的・経済的・文化的価値が国際社会に認められた証です。アルガンオイルの産地としてのモロッコの重要性は、こうした世界的な保護活動の歩みとも深く結びついています。


アマーズィーグの手仕事が守り継ぐ伝統製法

アルガンオイルの伝統製法は、モロッコの先住民であるアマーズィーグ(Amazigh)※の女性たちが何世紀にもわたって受け継いできた技術です。

※「アマーズィーグ」は北アフリカの先住民族の自称で、「自由な人々」を意味します。一般に「ベルベル」と呼ばれることもありますが、この呼称は他称にあたるため、当ブログでは敬意を込めて「アマーズィーグ」と表記しています。

伝統的な製法では、まず天日干しした実を一つひとつ手で割り、硬い殻の中にある仁(カーネル)を取り出します。この仁を石臼で丁寧にすり潰し、時間をかけて練り上げることでオイルが分離します。ひとりの職人が1日がかりで搾れるオイルの量は、わずか1リットルにも満たないとされています。

現在、アルガニエを含む多くのブランドは機械式コールドプレス製法を採用しています。石臼製法の手間と時間を大幅に効率化しつつ、低温で圧搾することでオイルの栄養成分を守る方法です。しかし、この近代的な製法も、アマーズィーグの人々が培ってきた「良質な実を見極める目」「収穫のタイミング」「乾燥の加減」といった知恵の上に成り立っています。

アルガンオイルについてさらに詳しく知りたい方は、アルガニエのアルガンオイル解説ページもご覧ください。

アルガンオイルの伝統的な石臼と仁を広げた作業場の風景

「モロッコ産」がアルガンオイルの品質を左右する理由

産地がモロッコであることそのものが、アルガンオイルの品質を左右する本質的な要因です。環境・原料・技術の三拍子が揃う場所は、ここしかありません。

近年、イスラエルやメキシコなどで試験的にアルガンツリーの栽培が行われていますが、モロッコ南西部の自生環境と同じ条件を再現することは困難です。土壌の成分構成、昼夜の温度差、大西洋からの湿度、そして長い歳月をかけた樹木の適応——これらが組み合わさることで、アルガンの実の栄養価は決まります。

アルガニエが「モロッコ産」にこだわるのは、ブランドの信念であると同時に、品質を守るための科学的な根拠にもとづいています。収穫から空輸までの時間を最短に保ち、コールドプレスで栄養を損なわずに抽出する。この一貫した工程が、アルガニエのアルガンオイルの品質を支えています。

アルガニエのブランドストーリーについては、ブランド紹介ページでもご紹介しています。


よくある質問

Q. アルガンオイルはモロッコ以外でも作られていますか?

A. 一部の国で試験栽培が行われていますが、自生地はモロッコ南西部のみ。品質面でもモロッコ産が基準とされています。

Q. アルガンツリーは植林で増やせますか?

A. モロッコ政府主導で植林が進められていますが、成木になるまで数十年かかり、希少性は依然として高い状況です。

Q. 「コールドプレス」と「伝統製法」の違いは?

A. コールドプレスは機械で低温圧搾する方法、伝統製法は石臼で手作業で搾る方法です。いずれも熱を加えず栄養を保つ点は共通しています。

Q. アルガンオイルが高価なのはなぜですか?

A. 自生地がモロッコ南西部に限られること、1本の木から採れるオイルがごくわずかであること、収穫・加工に手間がかかることが主な理由です。


まとめ

アルガンオイルが「モロッコ産」であることは、単なる産地表示ではありません。悠久の時をかけて形成された生態系、過酷な気候が凝縮させた実の栄養、UNESCOが認めた保存すべき自然環境、そしてアマーズィーグの人々が受け継ぐ技と知恵。これらすべてが一つになって、はじめてアルガンオイルは生まれます。

アルガニエは、この希少な恵みを鮮度そのままに届けるため、毎年その年の収穫だけを使い、最短48時間で空輸しています。モロッコの大地が育んだ一滴を、ぜひ日々のスキンケアで感じてみてください。

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